西国船路海路図
さいごくふなじかいろず
概要
享保4(1719)年に坂上是治が矢部家に伝わった海瀕舟行を写したもの。海瀕舟行は寛文7(1667)年に江戸幕府による中国・四国・九州の沿岸調査に参加した衣斐玄水が、その時の資料をもとに延宝8(1680)年に作成した。本資料は四帖からなるが、そのうちの「南海航路図秋」は、淡路島から始まり、四国沿岸が左まわりに描かれている。その特徴としては、海岸線を帯状に長く描き、それらの屈曲した海岸線を図幅中に収めるために、紙を斜めに継ぐなどの工夫がされている点や、海岸の城郭・神社・仏閣が絵画的に描かれ、港の状況、潮流の状態、航海の目標などを詳細に注記している点が挙げられる。着彩は海が青、陸が無着色、山が緑、断崖が茶で、朱線で航路が描かれている。
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愛媛県歴史文化博物館