百鬼夜行絵巻
ひゃっきやぎょうえまき
概要
最初の場面では、青鬼と赤鬼が走り、その鬼に追いかけられるように様々な妖怪が描かれている。これらの妖怪は、鍋や釜といった昔の生活で使っていた道具をもとにして、不思議な姿に表現される。そして妖怪たちがユーモラスに行進し、絵巻の最後の場面は、赤く輝く物体が描かれる。これは太陽とも、仏の力の火炎ともいわれ、それに妖怪たちが追い立てられる姿で終わる。この絵巻物に描かれた妖怪には、河童や山姥といった、よく知られた妖怪はでてこない。古い道具が変化した妖怪中心である。「百鬼夜行絵巻」は全国で60以上の諸本が確認されており、大きく分けて1真珠庵本、2国際日本文化研究センター本、3京都市立芸術大学本、4兵庫県立歴史博物館本の4種類に分類される。この愛媛県歴史文化博物館本は、1の真珠庵本の図柄に加え、4の兵庫県博本(「百器夜行絵巻」)に見られる器物系の妖怪(付喪神)の図柄も多く描かれており、他の諸本より描かれる妖怪の数は多い。