伽藍石香合
がらんせきこうごう
概要
香は、席中を浄める役割があるとされ、茶の湯のしつらいのなかでも大切な要素の一つとされています。夏は白檀(びゃくだん)などの香木を、冬はいくつかの香木や香料の粉末を練り固めた練り香を焚いて、それぞれの季節にふさわしい香りで客をもてなします。
香合は、香を入れておく器です。亭主は、客の前で炉に炭を入れる炭手前を行いますが、その際に、香合から香を取り出して炉の中に入れます。また、香合は、それ自体が鑑賞の対象とされます。
さて、今回紹介するこの香合は、寺院の大伽藍(だいがらん)を支える礎石をかたどったもので、伽藍石香合と呼ばれています。香合の蓋上の丸い円座のようなところは、丸い柱を支える部分をイメージしているのでしょう。小さいながらもごつごつとした力強い造形に、伽藍石の大きさといにしえの時の流れが感じられます。
この香合は、三重県の伊賀で焼かれたものです。伊賀の特徴とされるガラス状のビードロ釉の緑がとても美しい作品です。
江戸時代後期の大名茶人松平不昧(ふまい)が所持していたと伝えられています。