吉野文山作香合(達磨・白鳥)
よしのぶんざんさくこうごう(だるま・はくちょう)
概要
吉野文山作の香合2点である。香合とは、香を入れるための蓋付きの器である(注1)。
資料は、達磨と白鳥を模したと思われる香合である。
達磨の香合は、全体に飴釉がかけられており、上から見ると円形で、蓋に達磨の顔が彫られている。身の裏には、印「文山」が捺されている。
白鳥の香合は、桃色と緑色、尾羽は黒い釉薬がかかる。内側や底には飴釉がかけられている。白鳥が首を背に向けて曲げており、これが摘みとなっている。身の裏には、印「文山」が捺されている。
文山(1853~1937)は本名を吉野新平といい、高岡市片原町の自宅で楽窯(文山窯)を築窯し、大正初年頃から茶碗・置物・香合・酒器などを焼成した(注2)。
付属品の箱には、蓋に紙(「御年玉」と印刷)が貼られており、「文山作/香合入」と墨書されており、合わせ箱とわかる。
資料状態は良好。
当館には、文山作の「月に梅図楽盃」と「神馬記念盃」が収蔵されている。
〔注〕
1.HP「日本大百科全書(ニッポニカ)」小学館
2.定塚武敏『富山文庫2 越中の焼きもの』巧玄出版、1974年、p201