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交趾石榴香合

こうちざくろこうごう

概要

交趾石榴香合

こうちざくろこうごう

陶磁 /

中国・漳州窯

明時代・17世紀

陶製

総高6.5 径5.7 高台径2.7

1合

茶の湯で、湯を沸かすための炉に亭主が客の前で炭を足す一連の動作を炭点前といい、炭を足し終えると香を焚(た)きます。香は蓋のついた容器に入れて扱われますが、この器のことを香合(こうごう)といいます。今回ご紹介する作品も、茶の湯で用いられたものの一つです。
作品名の交趾(こうち)とは現在のベトナムの地名にちなんだ名前で、交易のために日本にやってきた船に積まれていたので、こうした呼び名がついたのでしょう。近年の発掘調査によって、「交趾焼」と呼ばれるやきものが、実際は中国福建(ふっけん)省南部のしょう州(しょうしゅう)一帯で作られたものであることが明らかになりました。この作品は石榴(ざくろ)をかたどったもので、これらのことから、交趾石榴香合(こうちざくろこうごう)と呼ばれています。かつて、元首相の犬養木堂(いぬかいぼくどう)(毅(つよし))が所有していました。
作品を見てみましょう。蓋から身にかけて3つの丸枠があり、それぞれの枠の中には馬の模様が型押しされています。色は黄色と紫、二色の釉薬を用いて塗り分けられています。見る角度によって虹色に光って見えるなど、独特の発色です。
落ち着いた味わいを見せる交趾焼は、茶の湯にも合う、日本人好みのやきものです。

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キーワード

交趾 / 香合 / こうごう / こうち

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