千屋断層
せんやだんそう
概要
千屋断層は、奥羽山脈の西麓の平野部との境界部に位置し、南北方向におよそ40キロメートルにわたり断続する。
この断層は、山側が平野側に対して低角でのし上げる逆断層であり、垂直落差は千畑町一丈木で最大3・5メートルに達する。トレンチ調査の結果のよれば、千屋断層の再来周期は数千年、断層の変位速度は、23200年あたり20メートルとされている。
奥羽山脈が山として存在することは、この断層の運動で示されるような山側が隆起するような地殻変動が、過去幾度となく繰り返されてきた結果であり、現在の東北地方の大地形の形成メカニズムを示す断層として重要である。
千屋断層は、東北日本日本海側の地域が過去200万年以上にわたって被ってきた、プレートによる東西方向の圧縮を如実に示す断層の典型であり、その学術的価値は極めて高い。
断層地形の特に明瞭な千屋断層については、秋田県指定天然記念物として指定されているが、この範囲を国指定し、東北地方の大地形の形成メカニズムを示す代表的なものの一つとして、その保存を図ろうとするものである。