後円融天皇宸翰消息(三陽之令節云々)
ゴエンユウテンノウシンカンショウソク(サンヨウノレイセツウンヌン)
概要
嘉慶元年(一三八七)正月、後円融天皇(一三五八~九三)が雅楽の旋律に関して臣下に諮問した消息。宛所を欠くが、内容からすれば雅楽寮の官人などに宛てたものであろう。 後円融天皇は北朝五代の天皇で、後光厳天皇の皇子。名は緒仁。母は藤原仲子。応安四年(1371)に即位し、在位十一年、永徳二年(一三八二)に皇子の幹仁親王(後小松天皇)に位を譲った。 文中に見える「御元服」とは、この年の正月三日に行われた後小松天皇の元服・加冠のことをいい、また「実直卿」とは、その時に奉行を勤めた今出川実直を指す。