後光厳天皇宸翰書状〈文和三年十二月十四日/〉
ごこうごんてんのうしんかんしょじょう
概要
関白二條良基に充てられた後光厳天皇の宸翰書状で、料紙は奉書紙様の楮紙を用い、本紙、礼紙の二紙に亙って、十五行に書されている。その内容は冷泉為秀に対し、勅撰集の撰集を始めることを申し伝えるように指示されたもので、第一紙右肩にある押紙墨書によってこの書状が文和三年(一三五四)のものであることが判明する。冷泉家が勅撰撰者の機会を得なかったとされていた従前の説を修正し、後光厳天皇が冷泉為秀に撰集を委ねる御意向があったことを伝えたもので、中世文学史上の史料としても注目される。なお、附の二條良基書状は、良基がこの宸翰に添えて為秀に送ったものである。
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