象棋盤
しょうぎばん
概要
漆を塗った木胎の上面と縁に螺鈿を象嵌した象棋(将棋)盤。盤面中央には河界をあらわし、舟を漕ぎその上でくつろぐ人物像、波や柳を螺鈿で表現する。螺鈿であしらった目は9路で、「将」「帥」の駒を置く区画を「米」字状にあらわす。盤の端には霊芝文を、外側の縁には四菱文を螺鈿でめぐらせて装飾する。駒は付属しない。盤上遊戯は世界中の人々によってたしなまれ、その歴史を辿ると文化の伝わった道がみえる。象棋(将棋)は中国を中心に東アジア地域に広まったが、囲碁とは異なって盤の形状やルールは各地で発展を遂げ、変化していった。本作は、いわゆる中国象棋の盤で、日本で発展した将棋とは盤の目などが異なる。本作は螺鈿装飾を全面に施すなど、豪奢な技法を用いた象棋盤として貴重である。