鍼灸秘伝書
しんきゅうひでんしょ
概要
戦国時代から江戸時代前期に制作された東洋医学に基づいた鍼灸の秘伝書。前欠ではあるが図を大変豊富に収める。残存する冒頭には、明代の「五輪八廓説」や「五輪所属主病之図」を載せ、次いで鍼灸の施術法として、ツボを図示した人体図(灸針図)をはじめとする20の図を注釈・解説とともに収める。さらには「五臓ノ虫之図次第」として、肝・心・肺・腎・脾の五臓に潜み病気を引き起こす原因の虫として、16の虫の図を載せている。そして巻末には、梵字様の図形の字画に、薬師如来・観世音菩薩・阿弥陀如来・釋迦如来・大日如来と東・南・西・北・中、および肝・心・肺・腎・脾の五臓の関係性を観念的に対応させた図解を以って内容を終えている。