後深草天皇宸翰消息断簡(二通)
ゴフカクサテンノウシンカンショウソクダンカン
概要
後深草天皇(1243~1304)が子の伏見天皇にあてた消息の断簡2通をつなぎ合わせ、一幅としたもの。上代様を基調としながらも、自分なりのアレンジ を加えた芯の強い右肩上がりの筆致が目をひく。1通目は九条師教の左衛門督任官の記事から正応3年(1290)正月十三日、2通目は伏見天皇の中宮・永福 門院の病気の記事から正応4年のものと推測される。両通ともに、高山寺の恵琳により書写された法華経(重要文化財、当館蔵)の料紙として利用されていた。