円仁入唐求法目録
エンニンニットウグホウモクロク
概要
入唐した円仁(慈覚大師、七九四~八六四)が、開成三年(八三八)七月より七ヶ月ほど滞在した揚州において得た経巻や法具の目録。一三七部二〇一巻の経巻と二十種あまりの法具が記される。これらの請来品には、円仁の日記『入唐求法巡礼行記』をみると、揚州滞在中に師事した長安西明寺の宗叡らの指導のもと、書写あるいは購入したものが多く含まれる。奥書によれば、嘉保二年(一〇九五)七月、円仁の請来品を収蔵した前唐院の蔵本をもって書写したとあり、目録の原形を伝える最古の写本として重要である。