木造千手観音立像
もくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう
概要
熊本市北区立福寺町の立福寺伊邪那岐神社に隣接する観音堂に伝来した木造千手観音立像である。本像に銘文はないが、熊本市内の在銘の仏像と比較すると、大永甲申(1524年)明のある船底の十一面観音立像と作風が似ており、中央で修業を積んだであろう仏師の作と思われる。本像は鹿子木寂心が曹洞宗の大寺院大慈寺塔頭鷲林寺の亨山禅師を呼んで建立した「龍福寺」の本尊であったと考えられる。「龍福寺」は現在の地名である立福寺の由来もなっており、本像は「龍福寺」の痕跡を示す熊本市の歴史上重要な仏像である。