紙本著色坤輿万国全図屏風
しほんちゃくしょくこんよばんこくぜんずびょうぶ
概要
紙本著色坤輿万国全図屏風
しほんちゃくしょくこんよばんこくぜんずびょうぶ
岡山県
江戸
1602年に明で刊行された『坤輿万国全図』を日本で模写し、間似合紙を各扇5段貼りにして屏風仕立てにして描画したもの。地域ごとに色分けし、海は藍、山岳は群青や緑青を用いて彩色され、経緯線は胡粉を用いて太く引かれる。注記等の文字は墨や金泥を用いる。ガラパゴス諸島や日本北方に金島・銀島を描く等、1602年刊本には認められない表現があり、また台湾の呼称である「東寧」が記されていることから、製作が17世紀中頃を遡ることがないと分かる。
縦164.8㎝、横376.0㎝
6曲1隻
岡山市北区丸の内2丁目3-15
岡山県指定
指定年月日:40380313
一般財団法人林原美術館
有形文化財(美術工芸品)
1扇裏上部には「準備 屏第一號 半双」と記され「参考品」の朱印が捺された岡山藩主池田家の整理札や「四拾年四月調」、「半双 屏第貳拾六號」、朱書で「十九番」と記された貼札が合計4枚確認できる。箱蓋上にも池田家の整理札の裏側を用いた「㐧十一號地球圖 六曲半双」貼札等がある。また、『御後園諸事留帳』の明和8(1771)年11月26日の項には、5代岡山藩主池田治政が、隠居中の3代藩主継政とともに御後園(現在の岡山後楽園)で相撲を見た記録があり、その中で「世界之絵之御屏風二而囲ひ」とあるのが本屏風と推考される。