爵
しゃく
概要
青銅爵(しゃく)は二里頭期に出現し、青銅彝器(いき)の中でも最も古い歴史を持つ。酒を温めるための器で、三本の足と把手(鋬)(ばん)、注口(流)(りゅう)とバランスをとるためかその反対側(尾)(び)が少し長く作られている。流の付け根につくキノコ形の柱(ちゅう)は何の機能があったのか、よく分かっていない。商代前期(二里岡期)の最も古い型式に属するこの爵は平底で扁平な器身を持ち、少し不安定な感じをいだかせる。扁平なほど鋳型を作りやすかったからだろう。
坂本コレクション 中国古代青銅器. 奈良国立博物館, 2002, p.20, no.1.