長刀岩御台場図
なぎなたいわおだいばず
概要
長崎湾沿岸部に設置された各御台場における石火矢の配備状況を示した見取図。築造の契機や時期により「在来台場(古台場)」・「新台場」・「増台場」という三種の区分が示されている。「在来台場」とは江戸時代前期に築造された台場。「新台場」・「増台場」とは、文化元年(1804)のレザノフ来航や同五年のフェートン号事件を受けて文化年間に増築された台場。基本的に在来台場は沿岸部、新台場・増台場は山頂や中腹といった高所に位置する場合が多い。
外国船は本図の西(右側)から現れ、北側を通過し入港してくる。在来台場は北東部の突端に置かれていたが、西側つまり沖側に向けて連絡道路が延伸され、増台場の四区画は全てこの道路沿いに並ぶ。備砲数は、増台場は四区すべてが各四挺であるのに対し、在来台場だけ五挺と多い。しかし砲種の点で見ると、800目以上の大型砲は増台場四区に各三~四挺で、在来には一挺しか備えられていない。