与那国島の祭事の芸能
よなぐにじまのさいじのげいのう
概要
与那国島は我が国最西端の地であり、かつて南方文化、中国文化の影響を受けるとともに、西下した琉球王朝時代の文化をも受け止めて八重山諸島の中でも特異な文化を継承してきている。島内には十二の御嶽【うたき】があり、季節の折り目にはそれぞれの祭事があって、この祭事の際にはさまざまの歌や踊りが行われている。これらの歌や踊りにはその古態をいまに留めたものが多く、神器を採って舞うタマハティ(魂貼)をはじめとし、芸能史的にも民俗的にも注目すべき芸態を数多く伝承している。
この地の祭事における芸能には、ウブンダと呼ばれる翁が登場して祝詞【のりと】を述べ、その後、棒踊り、舞踊、狂言、組踊り、獅子舞などを演じるものがあり、みるく(弥勒)が大勢の者を引き連れて登場し、舞踊、狂言、棒踊りなどを演じてみせるものもある。その上演は、いずれも数時間を要し、数多くの芸能はすべて古風な趣を伝えていて、芸能史上極めて価値が高い。
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