朝光寺本堂
ちょうこうじほんどう
概要
朝光寺本堂 一棟
朝光寺は法道の創立と伝えるのみで、記録に乏しく、詳しいことは分からない。本堂の建立年代についても、直接の資料を欠くが、応永二十年(一四一三)に仏壇を建立し本尊を移したこと、及び同二十五年から正長元年(一四二八)にかけて屋根葺きを終わったことが、仏壇の旧嵌板に記されている。よって本堂の建立も応永年間とみて差支えなく、様式もこの頃に一致している。
桁行七間、梁間七間で、三間の向拝を付している。和様を基調としているが、扉を桟唐戸としたり、組物の中備に双斗を用いるなど折衷様の流派に属するものである。密教本堂であるから、内部は内外陣に分かれる。内陣五間は太い格縁を疎く組んだ鏡板張の天井で、正面に大きな厨子を置く。この厨子は後世の改造もあるが、要所は堂と同時の様式を示している。外陣も五間に二間は内陣と同様鏡天井であり、内外陣とも周囲には入側が廻っている。以上のように、本堂は室町時代初期の密教本堂の一典型である。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)