浄土寺浄土堂(阿弥陀堂)
じょうどじじょうどどう(あみだどう)
概要
浄土寺浄土堂(阿弥陀堂) 一棟
浄土寺は東大寺の播磨別所として重源(一一二一~一二〇六)が建立したところである。浄土堂はその中心となる建物であって建久三年(一一九二)の建立になる。堂は桁行三間、梁間三間、宝形造であるが、柱間が非常に大きいので、出入口の部分では小脇柱を立てて、中央部に桟唐戸を入れる。紐物に挿肘木を用い、斗の配置は自由であり、断面円形の丸桁で隅だけ扇となった垂木をうけている。また中備には遊離尾垂木を用いている。軒は反がなく直線で、垂木先には鼻隠板を打つ。内部はすべて天井を張らず化粧屋根裏として、断面円形の虹梁と大瓶束とを用いた力強い架構法を現している。以上のごとくこの堂はその様式がきわめて特異である。これは重源が輸入した新様式で、大仏様の特徴であって、浄土堂は大仏様の最も純粋な遺構として重要である。
【引用文献】
『国宝辞典(四)』(便利堂 二〇一九年)