ビーカーネールの藩王ゾラーワル・シング騎馬像
ビーカーネールのはんおうゾラーワル・シングきばぞう
概要
インドでは、インド神話や、シヴァ神、ヴィシュヌ神などのヒンドゥー教の神々、王の肖像や歴史的なエピソード、男女の恋愛などさまざまなテーマを緻密なタッチと鮮やかな色彩で描いた、細密画とよばれる絵画のジャンルが発達しました。多民族国家であるインドでは、細密画の表現も地域によってさまざまで、それがまた魅力であるともいえます。
ビーカーネールは、インド西北部のラージャースターン州にある都市です。15世紀半ばから20世紀半ばまでの間、ビーカーネール藩王国がこの地域一帯を統治していました。
この作品に描かれているゾラーワル・シングは、1735から1746年に在位したビーカーネール藩王国の第13代王です。在位中には領主たちの内紛や、ジョードプル王による侵略などがありましたが、いずれも鎮圧し、国内を治めました。
ゾラーワル・シングの頭の背後には、あたかも神像のように金色で光背を描いています。画家はこうした表現によって王を神格化しようとしたと考えられます。
細密画の背面にはゾラーワル・シングの名が記されています。