賀茂御祖神社関係文書
カモミオヤジンジャカンケイモンジョ
概要
賀茂御祖神社(下鴨神社)に伝来、散逸した古文書群。文治四年(一一八八)九月十九日付の越中国寒江庄田畠散用注進状より、寛永九年(一六三二)五月二十四日付の御蔭社正殿清祓にいたる全四十七通が五巻に成巻される。これらの文書群は、「賀茂古文書之写」( 八坂神社蔵) や「神戸記」(国立公文書館など蔵)において、写しとして知られていたものの原本。成巻にはっきりとした意図や基準は認められないが、内容は①鎌倉時代から室町時代の遷宮に関するもの、②同時期の賀茂御祖神社領に関するもの、とに二分できる。各巻に付された文書目録には、「尾藩神邨恭敬斎蔵」朱文長方印が捺され、尾張藩士であった神村忠貞(一七四〇~八一)の旧蔵にかかり、尾張徳川家の伝来品と判明する。