勝山恐竜化石群及び産地
かつやまきょうりゅうかせきぐんおよびさんち
概要
福井県勝山市北谷町で産出した恐竜化石と,その産地である手取層群北谷層に設けられた恐竜発掘露頭である。手取層群は福井県,石川県,富山県,岐阜県に分布し,中生代ジュラ紀中期から白亜紀前期(1億7千万年~1億年前)にかけての地層から成る。中生代の化石が良好な保存状態で産出することで知られ,中でも勝山市の恐竜発掘露頭は日本有数の恐竜化石産地である。福井県では,平成元年(1989)から本格的な化石調査を開始した。恐竜化石(フクイラプトル,フクイサウルス,フクイティタン,コシサウルス,フクイベナートル)は,その調査によって発見されたもので,現在は福井県立恐竜博物館で所蔵されている。標本はいずれも新種記載されたもので,全身の約70%以上の骨格化石がそろう標本があるなど,保存状態が極めて良好であり,産出種と保存状態は日本を代表するものである。またその産地から得られた動植物の化石などから,恐竜時代の環境も明らかにされており,学術上重要な標本とその産地として貴重である。