紙本墨画雪裡三友図
概要
本図は禅林の理想とした霜雪に耐える三友(松・竹・梅)の厳しい境地を表わしたもので、図上には五山僧の岳林聖嵩(南禅寺七十四世)、惟肖得巌(同九十八世、永享九年・一四三七歿)、玉〓梵芳(同八十一世)、大愚性智(同九十二世、永享十一年・一四三九歿)、古幢周勝(同一二六世、永享五年・一四三三歿)がその画意をみな七言絶句でよみ著賛している。絵は直立した双松や曲りくねった梅など元画の構成法によっており、描写は力強い雄勁な筆致できわめて優れ、その製作年代は賛者のうち梵芳の近江へ退隠する応永二十七年(一四二〇)以前と思考され、応永期三友図の古作として注目される。