不動堂遺跡
ふどうどういせき
概要
富山平野の東縁に所在する繩文時代中期初頭から中葉におよぶ集落遺跡である。
昭和48年、圃場整備事業に伴う発掘調査によって、土器・石器など多数の遺物とともに19棟の竪穴住居跡や土壙などの遺構が明らかにされた。とくに遺跡の中央部では、長径約7メートル、短径約8メートル、深さ20センチの東西に長い楕円形を呈する大形竪穴遺構があり、現在わが国最大に属するものとして注目される。床面中央には、4基の石囲い炉が長軸線上に規則正しく配置され、このうち東方の2基は方形、西方の2基は円形を呈する。また内側の方・円各1基の炉には、その南側に底を抜いた深鉢形土器が埋設されている。このような大形竪穴遺構は、約130平方メートルの広大な面積をもつこと、方・円各2基ずつの炉の存在など、通常の竪穴住居とは異なって、集落内で特別な機能をもった建物と推測されるものである。