上白岩遺跡
かみしろいわいせき
概要
S52-12-034上白岩遺跡.txt: 伊豆半島を貫流する狩野川流入する大見川の合流点から約3.5キロ遡った大見川の右岸、河岸段丘上に所在する繩文時代の遺跡である。
発掘調査の結果、繩文時代中期後半から後期初頭の配石遺構・住居跡等の存在が確認された。
配石遺構は、環状列石・帯状列石・石組等の形態を示している。環状列石は、直径12メートル、巨石や細長い石材を連らねながら、処々に組石のいくつかの単位がみとめられる。また、各単位の中心部に配置された細長い石については、あるいは、直立していたものとも考えられ、現実に環状列石の西側に発見された1つの石組には、直立の例がある。帯状列石は、環状列石の南に構築され、長さ約10メートルを測る。これに接して長径約2メートルの円形の組石がみとめられた。配石遺構には、自然石だけでなく、石皿・石棒のほか、自然石の一部を研磨して平坦面を作るものなど、石器が少なくない。なお、処々に配されている組石の下部には土壙がみとめられ、組石墓かと推定される。
環状列石の外側には、繩文時代中期後半に属する4基の竪穴住居跡と、約60基の土壙も検出されている。
出土遺物は、土器・石器等膨大な量にのぼり、伊豆半島における繩文時代中期後半から後期初頭の基礎的な資料となるものである。