田麦俣民家 旧渋谷家住宅
たむぎまたみんか きゅうしぶやけ
概要
出羽三山のひとつ湯殿山麓の山村、鶴岡市田麦俣より当館へ1965(昭和40)年移築保存した民家です。県内でも有数の豪雪地帯にあったこの民家は、多層民家と呼ばれているもので、狭い山峡の敷地と深い雪の生活に適応して三層四層に空間を求めているつくりです。そのため二階三階そして屋根裏部屋までも養蚕などの作業場や収納場として有効な利用をはかっています。田麦俣は湯殿山登拝の道者宿や先達をつとめたり、山登りの強力などを生業とする人が多くありましたが明治以降は、三山参りの減少など街道集落的な性格がうすれ、田畑の耕作と山仕事のかたわら、養蚕を生業とするようになりました。民家の改造改築が行われるようになり、本来寄棟屋根であった民家は、妻側の屋根を大きく開き、通風と採光を目的とした高ハッポウとよばれる高窓をとりつけた結果、カブト造りといわれる均整のとれた美しい茅葺き屋根になりました。大黒柱のほぞに記された墨書から1822(文政5)年に創建されたことがわかります。
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公益財団法人致道博物館