耳飾
みみかざり
概要
耳飾
みみかざり
制作地:ベトナム・モン族
20世紀
アルミニウム鍛造 彫金
各最大長7.3~7.4 本体最大幅4.4~4.5
1対
シナ・チベット語系メオ・ヤオ語族系の民族であるモン族は、中国南部の雲貴高原からベトナム、ラオス、タイの山岳地域に居住している。古来、山間盆地や斜面に集落を営み、焼畑農耕のほか、陸稲栽培を行いつつ移動生活を行う人々と、水耕稲作を行う定着生活をする人々がいたが、近年では焼畑は制限され、水稲を生業とする定住生活が一般的となっている。モン族を代表する工芸として刺繍や染織とともに高い評価を受けているのが銀細工である。銀細工は山間に住む少数民族の生活の様々な場面で用いられ、特に新年の祝いや婚礼の際などには、富貴や健康、幸福を願う象徴として非常に好まれるものである。近年では、伝統的な意匠はそのまま残しつつ、銀に色味が似ていながら安価で軽く加工性も高いアルミニウムを用いた細工も数多く見られるようになった。本品は、ベトナムに暮らす少数民族の伝統意匠の継承と新素材の導入を物語る資料と言える。