首飾
くびかざり
概要
首飾
くびかざり
制作地:ベトナム・モン族
20世紀
銀鍛造 彫金
首掛部最大径17.7 装飾部最大長11.5
1連
ベトナムは、人口の90パーセントをキン族(ベト族)が占めるが、ほかに中国系の人々と53にもおよぶ少数民族が暮らす多民族国家でもある。そのなかでもモン族は、シナ・チベット語系メオ・ヤオ語族系の民族として知られ、中国南部の雲貴高原からベトナム、ラオス、タイの山岳地域に居住している。古来、山間盆地や斜面に集落を営み、焼畑農耕のほか、陸稲栽培を行いつつ移動生活を行う人々と、水耕稲作を行う定着生活をする人々がいたが、近年では焼畑は制限され、水稲を生業とした定住生活が一般的となっている。モン族を代表する工芸として刺繍や染織とともに高い評価を受けているのが銀細工である。銀細工は山間に住む少数民族の生活の様々な場面で用いられ、特に新年の祝いや婚礼の際などには、富貴や健康、幸福を願う象徴として非常に好まれるものである。本作もその特徴を有する作品といえる。