太刀 銘備前国住雲次/建武乙亥二年十一月
タチ メイビゼンノクニジュウウンジ/ケンムキノトイニネンジュウイチガツ
概要
鎌倉時代末に、備前国宇甘荘(うかんのしょう、現岡山県のほぼ中央)で、長船(おさふね)派などと作風を異にする雲生(うんしょう)が現れ、これを宇甘派と称する。雲次(うんじ)は雲生の子。 細身で、反りの中心が中寄りにあり、刃文を小のたれの交じる中直刃(ちゅうすぐは) とするなど、京都物を思わせる宇甘派の特徴をよく示す。一派が京都でも作刀したという説はここから来ている。雲次の長銘はひじょうに少なく、建武年紀のこの太刀は宇甘派の活動期を知る上で、きわめて貴重である。