鉄地二百間筋兜
テツジニヒャクケンスジカブト
概要
筋兜(すじかぶと)の間数は、時代が降るにしたがい増える傾向にあるが、とりわけ 技巧化の進んだ江戸時代には、百間以上のものも現れた。 この筋兜は、薄い鉄板二百枚を鋲で留めたもので、表面は錆地、裏は一面に金箔を押し、後方中央に「宗順作」と刻名がある。 作者宗順は、明珍(みょうちん)系の甲冑師と思われるが、詳しい履歴はよくわかっていない。しかし本品の後頭部が深い鉢の形は明珍系の特徴をよく示し、二百間という細かな構造は、甲冑師ならではの技術によるものである。