仏師院派関係文書
ぶっしいんぱかんけいもんじょ
概要
足利義満・義政などの将軍や管領を含む室町幕府関係者が、平安時代の定朝の流れをくむ院派の仏師に丹波国分寺地頭職を安堵した文書の正文(花押あり)12通と、院派傍系の仏師に将軍が仏像の製作を命じた文書の写し5通の計17通を成巻したもの。京都で書画の鑑定をよくした雨森善四郎(1793~1881)の旧蔵品。院派は14世紀以降、足利将軍家と緊密な関係を結んで活動したことが知られ、足利氏の菩提寺等持院の本尊造立料として院吉に与えられた丹波国分寺地頭職は、その後院広、院誉、院実と足利義政の時代まで継承された。南北朝~室町時代の仏師院派に関するまとまった史料群として貴重なもので、仏教美術史の観点からも重要な史料群である。