銅印「四王寺印」
ドウイン「シオウジイン」
概要
銅質、鋳技ともに良好で、印面方形、鈕はいわゆる鶏頭鈕に類する形式のもので、鈕孔があり、印台は極めて篤い。印文の彫りも深く、「四王寺印」の4字を2字ずつ2行に配している。書体は大和古印特有のもので、整然と配されるが、4文字のうち「四」には篆書の崩れた趣がある。印は平安時代初期の製作で、大和古印の優品の1つに数えられるものである。この印は、もと秋田の四王寺に伝えられ、江戸時代の寛文年間ごろに聖護院末の積善院に移され、それ以後、印を本尊として印鑰祭が行われていた。