花鳥図
かちょうず
概要
太湖石と紅白の芍薬、花海棠などを描き、山鵲と小禽を配する。その作者は、花弁を隈取る描写や葉の表裏を塗り分ける彩色、奥行きを浅く設定する構図、落款印章などから、琉球の画家・山口宗季(呉師虔、1672-1743)と考えられる。山口宗季は琉球王国首里王府が所管した貝摺奉行所の絵師で、王府の命で福州に留学(1704-07)して中国の花鳥画家・孫億(1638-1712-?)に学んだ。本図は落款の年記から、山口宗季が王府の命により画法習得のため中国・福州(福建省)に滞在していた時期の制作であることが分かる。そのため本図は山口宗季の留学の成果を知るうえで重要であり、福建絵画に学んだ琉球絵画を理解するうえで大きな意義をもつ。