倣巨然山水図巻
ほうきょねんさんすいずかん
概要
王鑑は字を円照、号を湘碧、染香庵主といい、太倉 (江蘇省) の人。王世貞の曾孫で、王時敏【おうじびん】らとともに、清初の正統派山水を代表する四王呉惲【しおうごうん】 の一人に数えられます。本作は正統派の祖ともされた五代・北宋初期の巨然【きょねん】の画風に倣うものです。正統派山水の静謐な画風は、誰にも親しみやすく学びやすかったため、清代を通じて文人画の規範として崇められ、このような多くの模倣作が作られていくこととなりました。王鑑は廉州の太守になったため王「廉州」とも呼ばれますが、それにちなんだ清末の楊峴【ようけん】(1819~96)の題があります。