山水図巻
さんすいずかん
概要
王時敏は字を遜之、号を烟客、西田主人といい、婁東 【ろうとう】(江蘇省太倉) の人。裕福な家に生まれ、董其昌を学ぶ典雅な文人山水画を完成させ、清代初期の正統派山水流行の祖となりました。王時敏の官名である「奉常」を書した清末の楊峴【ようけん】(1819~96)の題があります。(20150127_t081)
この王時敏と王鑑の作品は、題跋、表装とその題記までもが共通しています。おそらく清末頃に同じ工房でつくられた模作であると考えられます。当時の職人が非常に高い臨模の技術を持っていたことがわかる重要な作例です。