瑠璃青磁捻花文瓶
るりせいじねじはなもんびん
概要
初期伊万里のうち、青磁製品は1630年代頃に生産が開始された。磁器の素地で成形したものに、白磁製品よりも釉薬中の鉄分含有量の多い釉薬をかけて青緑色に発色させる。瑠璃釉は、透明な釉薬に呉須を混ぜて作った藍色の釉薬をかけた製品で、創始時より作られた。本作品は、作為的に、口縁から肩までに瑠璃釉を、肩の端部から底部まで青磁釉をかけ分けた瓶である。箆彫りの文様は、中国の祥瑞によく描かれた捻花文が崩れたものであろう。厚めにかけられた釉薬や、全体に見られる貫入、高台付着する砂など以上の特徴から、17世紀中期の1640-70年代に生産されたものと考えられる。