青白磁菊花形合子
せいはくじきくかがたごうす
概要
本作品は、線彫りの菊花形も非常に細工が細かく丁寧な青白磁である。素地の白さから、徳化窯の製品の可能性が考えられる。身は、平らな底部を持つ円形の器とし、側面には線彫りで菊弁形とする。蓋は、表面中央に型押しと線彫りで中央に雌しべ・雄しべを、その周囲に大小の花弁が交互に見えるように二重になった花弁を彫り、これら全体で菊花形とする。身は底部を、蓋は口縁部を除いて、全体に淡い青磁釉をかける。
青白磁とは白磁の一種である。北宋時代には、江西省の景徳鎮窯、南豊窯、徳化窯を中心に南部で作られた。胎土の中に含まれた微量の鉄分が還元炎で焼成されたために青みを帯びる。淡青色の美しい釉薬に加えて、繊細な彫り文様が優雅な雰囲気を添えており、非常に評価が高く、中国では「影青(インチン)」と呼び愛好された。