木造 十一面観音菩薩立像
もくぞう じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう
概要
木造 十一面観音菩薩立像
もくぞう じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう
大阪府
平安時代後期/1100~1185
ヒノキの一木造、頭頂から足裏柄及び足先を含み、一木から彫り出す。内刳はなし。木心は像前方に外す。表面彩色は現状古色。
頭頂に仏面一面、髻の周囲に九つの菩薩面を置く。頂上仏面後方には髻の一部か。各菩薩面は前方三面のみ頭髪を表し、正面中央の菩薩面には目鼻を彫り出す。頂上仏面も目鼻を彫り出す。他の頭上面は目鼻を刻まない。
天冠台は列弁のみ(後方は刻まない)、地髪部はマバラ彫り(後方は平堀)とする。目は上瞼を膨らませ、上瞼下を斜めに彫ることで目の形を表している。三道相を表し、耳朶は不通とする。右手は下に垂らし、掌正面に向けて五指を伸ばす。左手は屈臂し蓮華を挿した水瓶を執る。胸と腹の括り線は各一条で表す。右足をわずかに前に出して台座上に立つ。
左肩からかけた条帛は、正面・背面にて垂下部を表す。天衣は両肩よりかかり、両臂内側に垂下する(先は欠失)。裳は一段折り返して着し、腰布をつける。衣文線を全く刻まない。
像高54.1cm 髪際高45.2センチ 頂顎14.1cm 面頂5.4cm 面幅5.3cm 耳張7.2cm 面奥6.9cm 胸奥(右)6.4cm 腹奥(条帛含)7.8cm 肘張13.3cm 裾張11.8cm 足先開(外)7.6cm(内)2.9cm 台座高(二段)6.5cm
一躯
大阪府高槻市大字原3301-1
高槻市指定
指定年月日:20200803
宗教法人神峯山寺
有形文化財(美術工芸品)
役小角が開山し、宝亀5年(774)に開成皇子の創建とされる山岳寺院である神峯山寺に伝来する仏像