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木造十一面観音菩薩立像

もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう

概要

木造十一面観音菩薩立像

もくぞうじゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう

木像 / 鎌倉 / 関東

賢光

鎌倉時代/1264

[形状]垂髻を結う。頭上に10面を戴く。髻頂に仏面1、髻正面に菩薩面1、地髪部正面に仏面2、髻左側面に菩薩面1、地髪部左側面に瞋怒面2、髻右側面に菩薩面1、地髪部右側面に菩薩面1・明王面1を各配する。髻後方には大笑面用の穴があり、もと11面を戴くか。地髪部正面に化仏立像(木造、漆箔)をあらわす。天冠台は紐2条と列弁を彫出する。頭髪は天冠台より下をまばら彫りとし、他を平彫りとする。白毫相・三道相をあらわす。鬢髪1条、耳をわたる。耳朶、環状貫通。条帛を懸け、裙(折返し付き)・腰布(折返し付き)を着け、天衣を着ける。左手は屈臂して華瓶を執り、右手は垂下して掌を前に向け第1指を屈して錫杖の柄を支え持つ。腰を左に捻り、右脚を遊ばせ、右足をやや前に出して立つ。光背、挙身光、周縁部雲文。周縁部頂上に宝塔をあらわす。台座、蓮華座。
[品質構造]カヤ材。割矧ぎ造り。肉身部金泥塗り、衣部素地。玉眼。白毫、水晶製(白伏せ彩色)。
頭・体幹部は1材(幅1尺3寸5分×奥1尺)より彫出する。木芯は像の左斜後方へ外す。左耳中央と右耳後ろを通る線で前後に割矧ぎ、内刳りの上、後頭部を襟際で割矧ぐ。面部を割矧ぎ、玉眼を嵌入する。像底を刳り残し、中央に枘孔を開け、台座蓮肉部中央より出る角枘を挿込み、台座上に立てる。 頭上面・化仏は各別材製。髻基部の頭上面3は挿込み矧ぎとし、他は枘挿しとする。左腕は肩・肘で矧ぎ、右腕は肩で矧ぐ。右腕は手首でも矧ぐか。両肩に蟻枘(水平方向)を設け、両腕の各矧目に角枘を設ける。両手持物(左手華瓶、右手錫杖)は別製とする。天衣のうち、両腕外側より体側に垂れる部分は、別材製矧付け。体前面をわたる部分(現在、亡失)は、もと別材製矧付けか。両足先、別材製矧付け。両足先、別材製。本体に蟻枘(垂直方向)を設け挿込み矧ぎとする。
表面は、肉身部はベンガラ漆地、金泥塗り。頭上面・衣部は素地とする。

本体(単位:㎝)
総 高 269.1
像 高 158.8(5尺2寸4分)
髪際高 130.7(4尺3寸1分)
頂-顎  44.5    面 長  17.1
面 幅  16.3 耳 張  21.8
面 奥  24.3   胸 奥  21.8(右)
胸 奥  23.6(左)     腹 奥  26.8
肘 張  50.9   裙裾張  35.5
裙最大張 40.6        天衣張  56.8(現状)
足先開  24.8(外)     足先開  14.4(内)

光背・台座(単位:㎝)
光背高 203.8   光背張 88.2
光背厚   2.0
台座高  65.3        台座張  96.3
台座奥  59.6

1躯

千葉県指定
指定年月日:20160304

宗教法人長栄寺

有形文化財(美術工芸品)

造像時より現在に至るまで当地に伝来してきたことが墨書により明らかである。

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キーワード

矧ぐ / / / 地髪

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