画像石 西王母/馬車/狩猟
がぞうせき さいおうぼ ばしゃ しゅりょう
概要
今から2000年近く昔の漢時代には、身分の高い人を葬るために、贅を凝らしたお墓を作りました。地中にたくさんの部屋が設けられ、それらは廊下でつながっていました。また地上にも親族や子孫が死者をまつるためのほこらを築きました。そうした墓やほこらの壁を飾ったのが、この作品のように彫刻を施した画像石です。
3段構成の最下段は狩猟の場面。地上の世界を表しています。2段目は馬車で旅立つ場面。地上と天界とをつなぐ場面と思われます。そして最上段が天上世界。その中央には西王母(さいおうぼ)と呼ばれる女神が正面を向いて座っています。彼女は崑崙山(こんろんさん)というはるか彼方の山にすみ、人の生死をつかさどるとされました。西王母の近くでは、2羽のウサギが杵(きね)で不老不死の薬を搗(つ)いています。