三熊野神社大祭の祢里行事
みくまのじじゃたいさいのねりぎょうじ
概要
本件は,掛川市横須賀に鎮座する三熊野神社の大祭で,神輿の渡御に合わせて祢里と呼ばれる13基の山車が氏子域を巡行し,神社の境内などで囃子(はやし)を奉納するものである。
祢里は,江戸を中心とした関東では今日ではほとんど巡行の見られなくなった,一本柱万度型と呼ばれる古い形式の江戸型山車と酷似しており,江戸時代に横須賀城主が参勤交代の折に囃子を江戸から持ち帰ったという言い伝えとの関連も示唆される。
祢里の巡行は,各町の年齢階梯的な組織によって行われる。1日目は揃えといい,各町が祢里を準備して自町中心に巡行する。2日目は宵宮で,早朝,祢里が自町を巡行した後,すべての祢里が神社境内に参集して当番町が囃子を奉納する。その後,役廻りと称して各町の祢里が各町の会所を訪問して囃子を披露し,夜は提灯を灯して自町を巡行する。3日目は本楽で,早朝から祢里が自町を巡行し,昼は神輿の渡御に合わせて氏子域を巡行する。神輿が還御すると,境内で地固めの舞や田遊びが奉納され,夜には千秋楽と称してすべての祢里が境内に参集して囃子の競演を行う。
(解説は選択当時のものです)
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