四国山地の発酵茶の製造技術
しこくさんちのはっこうちゃのせいぞうぎじゅつ
概要
本件は,徳島県勝浦郡上勝町・那賀郡那賀町,愛媛県西条市,高知県長岡郡大豊町等,四国地方の標高数百mの山間部に伝承されている茶の製造技術で,製造過程で人為的な発酵が行われる点に特色がある。
徳島県では,阿波晩茶などと呼ばれ,夏場に刈り取った茶葉を,煮てから揉捻し,桶に数週間漬け込んで発酵させ,最後に乾燥させる。
愛媛県や高知県では,それぞれ石鎚黒茶,碁石茶などと呼ばれ,夏場に刈り取った茶葉を,蒸してからカビ付けした後に,桶に数週間漬け込んで発酵させ,最後に乾燥させる。
阿波晩茶が一段発酵,石鎚黒茶や碁石茶が二段発酵という違いはあるものの,摘んだ茶葉をすぐに加熱して自然発酵を抑制する一方で,後に人為的に強制発酵させる点は共通し,どちらも独特の酸味を持った茶となる。
(※解説は選択当時のものをもとにしています)
所蔵館のウェブサイトで見る
国指定文化財等データベース(文化庁)