土佐節の製造技術
とさぶしのせいぞうぎじゅつ
概要
土佐節とは、高知県に伝承されてきた、枯れ節と呼ばれる硬質の鰹節である。我が国における鰹節製造の歴史は古く、荒節や裸節を経て、近世後期に土佐でカビ付けによる鰹節が成立したとされる。カビ付けは、鰹節の腐敗を防ぎ、大坂や江戸などの遠隔地への流通を可能とするともに、生臭みをとるなど品質を向上させ、土佐節の名を広く知らしめた。こうした土佐節の製造技術は、その後各地へ伝播し、技術交流をしながら今日に継承されている。
土佐節の製造工程は、「土佐切り」と呼ばれる豪快な吊るし切りをはじめ、節状にして釜で煮る「煮熟」、小骨を取り除く「バラ抜き」、焚納屋の中に入れて煙で燻して水分を抜く「焙乾」、良性のカビ菌を鰹節に吹き付ける「カビ付け」などがあり、この「カビ付け」と、「日乾」と呼ばれる天日干しの作業を交互に繰り返し行い、数か月かけて完成となる。