上積翠寺の岩船地蔵
かみせきすいじのいわふねじぞう
概要
上積翠寺の岩船地蔵
かみせきすいじのいわふねじぞう
山梨県
岩船地蔵の背面には「岩舩地蔵菩薩」という名称と共に「享保四年七月九日」と年月日が刻されており、一七一九年(享保四)の建立であることを示している。すなわち、これが一七一九年に武蔵、相模、安房など関東地方西部から信濃、甲斐、駿河、越後など中部地方東部にかけて広く流行した岩船地蔵信仰の残した記念物であることを教えてくれる。岩船地蔵の熱狂的な信仰は近世におこった流行神仏の一つである。
山梨県内には石造の岩船地蔵が多数残されている。船形台座に載せられていることで岩船地蔵であることを姿として示しているものが基本であるが、船形台座はないものの、銘文に岩船地蔵と刻しているものもある。それら岩船地蔵の総数は県内で六五あり、岩船地蔵が分布する県の中でもっとも多く、県域の面積や居住空間の面積を考えれば、もっとも濃密な分布を示していると言える。上積翠寺の岩船地蔵像の台座はそのなかでもっとも大きく、形状の整った船形の台座である。
山梨県甲府市上積翠寺町135-1、135-4
上積翠寺鍛冶屋組
有形民俗文化財