藤原俊成自筆書状〈三月六日/左少弁殿宛〉
ふじわらのとしなりじひつしょじょう
概要
本文書は,藤原俊成が子・定家(さだいえ)の除籍を解くように後白河(ごしらかわ)院(いん)に嘆願した文治(ぶんじ)2年(1186)の自筆の書状である。その内容は,定家(さだいえ)の殿上(てんじょう)での狼藉は年少の輩(ともがら)の遊戯のようなものであり,除籍について許してもらえるようにとりなしてほしいと,子を思う気持ちを表している。また文中にある和歌から「あしたつの文」として著名なものである。歴史上は,もとより文化史上にも貴重な文書であり,また俊成の筆跡の面目を伝えている。