千載集巻第十一断簡〈(日野切)/(待賢門院のほりかは あらいその)
せんざいしゅうまきのだいじゅういちだんかん〈(ひのぎれ)/(たいけんもんいんのほりかわ あらいその)〉
概要
本作品は「日野切」と呼ばれる古筆切で、『千載和歌集』の断簡である。
筆者は藤原俊成(1114~1204)である。本文は、撰者の俊成が文治四年(1188)に奏覧した勅撰集『千載和歌集』のうち、巻第十一恋歌一の三首に該当する。書風は、独特の癖のある鋭く変化にとんだ筆運で、俊成七十歳代の筆跡ながら、力強く筆力の充実した書である。
「日野切」は撰者自筆本として、国文学上の価値は高い。また、長く尊重されてきた名物切の名筆として書道史上にも重要である。