藤原定家自筆申文草案
ふじわらのさだいえじひつもうしぶみそうあん
概要
藤原定家が参議の時、権中納言への昇進を望んで作成した申文の自筆の草案である。巻子装で、後補の紺表紙を附し、朱字で外題を「京極殿納言御申文之案」と掲げている。料紙は楮紙で墨横罫を天三罫、地単罫に施している。文中加筆訂正が特に著しく、初稿段階の草稿本であることを明らかにし、内容よりみて、承久三年(一二二一)定家六十才の筆と認められる。その日録『明月記』は同年条を欠き、申文作成前後の動向は未詳であるが、その内容は『明月記』の欠を補うもので、参議としての定家の在り方、及び当時における申文の実態を伝えて価値が高い。
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