肥前全図
ひぜんぜんず
概要
武雄鍋島家旧蔵の資料で、裏面に「肥前全図」の表題がある。縦224cm、横247cm。海や川を青、主たる山を茶、街道を赤、郡境を白、国境を黒色で描いている。郡別に総石高、田畑の面積、寺社領石高、物成小物成高が色分けされた付箋に書かれている。石高は慶長検地の石高で、この絵図が慶長の国絵図であることがわかる。慶長の国絵図は全国に命令して作成され幕府に提出されたが、 明暦の大火で消失し正図は1枚も残っていない。現在は、その控図や写し図が全国的にみても15舗しか確認されていない。
本図は控図の写しを所持していた大村藩から佐賀藩が天保8年(1837)頃に借用して写したものの一つと考えられる。
本資料は、数少ない慶長の国絵図として、また記載された文字資料から江戸初期の肥前国を究明する基礎資料として貴重である。
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