610形A2自動式卓上共同電話機
610がたA2じどうしきたくじょうきょうどうでんわき
概要
本資料は、ダイヤル式の卓上電話機である。「黒電話」と通称されている。
底面中央に「600-A2/TMG-K 73」という陰刻があり、「600-A2」の部分は線で消され、その上に「610-A2」と印記されている。つまり元は「600形」(用途が「単独」)であったがのちに「610形」(用途は「共同」)に変更されたことを示す。共同電話とはひとつの回線を複数の加入者で共通に利用するもの。フックスイッチが赤いこともその特徴(注1)。「A2」とはダイヤルの戻るスピードがA1(10パルス/秒)より速い(20パルス/秒)モデルである(注2)。「TMG-K」はメーカーと思われるが現在のところ不明。ネット上のコメントで「TMG(東京メーカーグループ)」とするもの(注3)があったが今後の調査が必要である。「73」は製造年代と思われる。
また底面上部(電話線側)に「⑪W」という印記がある。
ダイヤル中央の紙にはA2の特徴である横に2本の赤線が引かれており、赤字で「0766/23-3863/大沢」と書かれている。
背面の電話線は先端の端子まで残されている。
汚れや細かな傷があるが、保存状態は良好である。
(注)
1.HP「RoyalBlue/600型電話機」平成29年6月23日アクセス
2.浦幌町立博物館フェイスブック(2017年1月18日)
3.mixiコミュニティ「皆さんの黒電話のメーカーはどこですか?」(2007年3月4日)に対するコメント(7月30日付)