絵葉書「高岡市電話交換開通紀念」
えはがき「たかおかしでんわこうかんかいつうきねん」
概要
本資料は、高岡市の電話が開通したことを記念して発行された絵葉書である。モノクロの写真が印刷され、背景にはカラーの絵が印刷されている。資料②(横長)に関しては、背景の絵や写真縁取りにエンボス加工が施されている。また、台紙に貼り付けされており、台紙左上部には「明治四十年十一月八日/高岡市電話開通紀念」と書かれた紙も貼り付けられている。
本資料の状態は、一部にしみがあるが概ね良好である。
本資料から高岡における電話通信の歴史を知ることができ、高岡の歴史を辿るうえで貴重な資料であるといえる。
①交換室
当時の電話機の絵がカラーで印刷されており、背景には赤い実をつけた植物も描かれている。電話機の下部には交換室内の様子を写したモノクロ写真が印刷されており、4人の袴姿の女性が交換台に向かう様子を見ることができる。写真の下には右書きで「交換室」と書かれている(郵便局内)。葉書右下には右書きで「髙岡市電話開通紀念」と印字されており、葉書右上にはスタンプが押されている。
スタンプは丸型で、電話機をモチーフとしたデザインとなっている。スタンプには右書きで「髙岡市電話交換開始紀念」の文字が見てとれ、中央部分に「40/11-8」と日付が印字されている。
表面下部には1/3に通信文の記載がある。この絵葉書は高岡での電話交換開始が明治40年11月5日であることと、スタンプ内の日付が40年11月8日のものであることから、この絵葉書は明治40年11月8日発行のものであると確定できる(8日は記念式典)。
また、側面には「Union Postale Univeiselle/CARTE POSTALE」の表記があり、切手欄枠内には縦書きで「内地け壹銭五厘/外國は四銭貼用」という文字がみられる。右上にはスタンプのインクが付着しており、重ねた際に付着したものかかすれており文字や図柄は判別することができない。
②高岡郵便局/高岡市商業会議所
モノクロ写真5点(建物写真2点、人物写真3点)が印刷されており、建物写真は電線を、人物写真は桜の花びらをモチーフとした枠に囲まれている。背景には紅葉の枝ときのこの絵がカラーで印刷されており、写真枠と絵にはエンボス加工が施されている。写真は以下の5点である。(記述は右から順におこなっている)
建物(右から)
・高岡郵便局(御馬出町に明治35年築)の外観が写されている。写真上部枠外に右書きで「髙岡郵便局」と書かれている。
・高岡市商業会議所(利屋町に明治36年築)の外観が写されている。写真上部枠外に右書きで「髙岡市商業會議書」と書かれている。写真上部に青いインクのようなしみがみられる。
人物(右から)
・宇都宮金沢郵便局長の写真。写真上部枠外に右書きで「宇都宮金沢郵便局長」と書かれている。
・吉村高岡郵便局長の写真。受話器をとり電話をしている様子が写されている。写真下部枠外に右書きで「吉村高岡郵便局長」と書かれている。
・木津高岡商業会議所会頭の写真。写真下部枠外に右書きで「木津髙岡商業會議所會頭」と書かれている。写真左上に赤いインクのようなしみがみられる。6代木津太郎平(1875~1950)が当時会頭であった商業会議所は先代の荒井荘蔵会頭が明治39年に官設電話急設建議を行なうなど推進活動を行なっており、記念式典の会場となった。
葉書右下に右書きで「髙岡市電話開通紀念」の文字がみられ、左上にスタンプが押されている。
スタンプは丸型で、電話機をモチーフとしたデザインとなっている。スタンプには右読みで「髙岡市電話交換開始紀念」の文字が見てとれ、中央部分に「40/11-8」と日付が印字されている。
表面下部には1/3に通信文の記載がある。この絵葉書は高岡での電話交換開始が明治40年11月5日であることと、スタンプ内の日付が40年11月8日のものであることから、この絵葉書は明治40年11月8日発行のものであると確定できる(8月は記念式典)。
また、側面には「Union Postale Univeiselle/CARTE POSTALE」の表記があり、切手欄枠内には縦書きで「内地け壹銭五厘/外國は四銭貼用」という文字がみられる。